出店者様向け|お店づくり!依頼するのは設計会社or設計施工会社?

基礎知識

皆様こんにちは!

店舗デザイン設計会社のマティータです。

今回はお店を出店する際に、お店づくりの業務を依頼するのは設計会社と施工会社で分離するのが良いのか、設計施工会社へ一括するのが良いのかについてお話ししていきたいと思います。

ちなみに今回はお店という「箱」づくりに関しての内容になります。営業、商品、サービスなどの内容は含まれません。

<目次>

1_お店づくりに必要な業務のまとめ

2_分離発注と一括発注のそれぞれの特徴

3_依頼会社選定の際に注意すべき3点

4_理想はこれ!依頼会社を決定するポイント

 

1_お店づくりに必要な業務のまとめ

まずはじめにお店づくりに必要な業務内容を説明いたします。

業務内容は簡単に言うと「計画+積算+工事」になります。

計画:どこに何を配置するか、どのような形・色にするか、どのくらいの価格の素材を使用するか

積算:設計費・工事金額がどれくらい掛かるのか見積書の作成、金額精査

工事:実際のお店づくりの現場作業

業務分担としましては、計画は「設計」の仕事になります。積算は「設計」が作成した計画図面を基に「施工」が工事金額を算出し、その金額が適正価格かどうかの精査を「設計」が行います。工事は「施工」の仕事になり、計画通りに工事が進んでいるかどうかの監理は「設計」の仕事になり、オーナー様への進捗状況報告や現場状況などにより計画変更が発生した場合などの報告・協議なども合わせて「設計」が行います。

※設計費用に関しては設計着手前に見積書を提出し契約を交わします。

2_分離発注と一括発注のそれぞれの特徴

続いては分離発注した場合と一括発注した場合のそれぞれの特徴をお話ししたいと思います。

まずは前項のおさらいとしてそれぞれの会社の業務は

設計会社:主に計画を行う会社で、工事は請け負わずに監理業務のみを行う

施工会社:計画などは行わず設計会社の作成した図面を基に工事を行う会社

設計施工会社:上記2つを一括して請け負う会社

となります。

ですのでお店づくりは設計だけでも成り立たず、施工だけでも作れないので

「設計と施工の分離発注」又は「設計施工会社の一括発注」

というどちらかの依頼になりますので、それぞれ特徴が出てきます。それについて説明いたします。

■設計と施工の分離の特徴

・設計会社はデザインに注力しているスタッフが多いため、イメージづくりを安心して任せられる印象が強い

・施工会社選定の際には設計会社主導で工事金額入札が行えるので、工事コストダウンが見込める

・施工会社選定後の計画変更があった際の金額再提示の際にも金額精査をしてもらえる

■設計施工一括の特徴

・設計も施工も窓口が一人になる例が多いため、コミュニケが楽な印象がある

・計画~見積り、工事段取りが同じ会社内でスムーズに行えるのでスピード感がある

・全体の費用感も把握しやすいので予算計画が立てやすい。また契約も1社で完了できる

他にもあるかと思いますが、主にこのような内容かと思います。

ちなみにですがよく聞く話で

「設計施工会社に依頼した方が設計料がかからない」

と、いうお話がありますが、それに関してはそんな事はありません。あくまで「設計費」という項目が見積書に無いだけで、設計会社に支払う設計費用と同等の金額は総予算の中に含まれているんだと頭にいれておくべきだと思います。

3_依頼会社選定の際に注意すべき3つのポイント

続いては依頼会社選定の際の注意点、検討事項を3点お話しいたします。

1:デザインコンペの検討

計画内容に関しては会社によって案件の捉え方、オーナー様からの要望内容の生かし方など、それぞれ考え方や個性が出てきます。ですのでどれも間違いでは無いのですが「感性の不一致」というのがどうしても発生することがありますので、可能であれば何社かに依頼しデザインコンペを行うことも検討された方が良いかと思います。ただコンペを行うのは時間的な余裕が必要ですし、設計会社によってはコンペ費用が掛かるなどのお話もあるかと思いますが、人生のかかる大切なお店ですので、悔いが残らないように充分検討致しましょう。

2:工事金額は他社からも見積りを取る

工事金額に関してはやはり1社ではなく何社か見積りを取る事をお勧めいたします。これだけで大幅なコストダウンにつながることがありますのでとても重要な事です。ただし「工事精度が良いからコストが高い」や「工事精度が悪いからコストが低い」など、会社によって工事レベルには差がありますので、単純にコストだけで判断は出来ないという事も頭に入れておきましょう。

3:契約内容の確認

依頼会社を選定すると、その後は契約になります。契約の際に注意すべき点は「どこまでの業務が含まれているか」と「いつ完了するのか」という2点は特にしっかりと抑えておきましょう。設計会社だったらデザイン、実施設計、設計監理などきちんとやってもらえるのか、施工会社だったら工事内容と見積り内容に間違いはないか、きちんと期日までに工事が終わるかなどきちんと確認が必要です。この時に工事工程表もじっかりともらっておきましょう

4_理想はこれ!依頼会社を決定するポイント

最後は依頼会社を決定する際のポイントをまとめます。

・スケルトンや一般的な居抜きなど計画内容がある程度ある場合は設計+施工の分離発注を推奨します

・とにかく時間が無いという場合には設計施工の一括発注を推奨します

・予算などよりデザインイメージを最重要視し、とにかく感性の合う会社を見つけたいという場合はデザインコンペを推奨します。

以上が今回のまとめとなります。

どちらにするかの判断基準として、ポイントの一つとなるのが計画のボリュームだと思います。完全にスケルトンでゼロからスタートするのであれば設計会社に依頼するのが良いと思いますし、ほぼ内容が決まっていて計画が少ないような場合には設計施工会社が良い気がします。あとは時間の無い場合は設計施工会社が良く、金額を細かく詰めていきたい場合は設計会社で工事は入札が良いと思います。

そして私の今までの経験上で最も理想的なのがこちら!

感性が一致し、対応の良い設計会社と、価格が安く、施工精度が高い施工会社へ依頼する!

是非出店の際の業務依頼会社選定の際はこちらを目指してみてください。

もちろん弊社も頑張ります!

以上です。

最後までお付き合い頂きありがとうございます