出店者様向け|材料は支給した方が良い?お答えします

基礎知識

皆様こんにちは!

店舗デザイン設計会社のマティータです。

今回は内装工事の際にコストを抑えるために支給できるものは支給(施主支給)した方が良いのかどうかについてお話したいと思います。

今の時代EC事業が発展し、昔とは比べようのないくらいに誰でも簡単に色々なものを手に入れられるようになりました。

建材も同じです。専門問屋でないと手に入れられなかったようなものでも、今は手に入れられます。そうなってくると

「工事に使う材料は自分たちで手配出来るものは手配した方が良いのでは?」

「ネットで安く手に入るのだからだいぶコストダウン出来る」

と、誰もが考えるはずです。

今回はこの施主支給についてのメリット・デメリット・注意点などをお話ししていきますので最後までお付き合いください。

■目次■

1_施主支給した場合のメリットはこれ!

2_施主支給した場合のデメリットまとめました

3_DIYを考えている方へ

4_施主支給に適している物はこちらです

5_まとめ

1_施主支給した場合のメリットはこれ!

まず始めに施主支給した際のメリットについてお話ししたいと思います。

これはやっぱり単純に

「工事コストダウン」ですね。

おそらく皆様もこれ以外の目的は無いはずです。

同じもの買うなら工事業者に仕入れてもらう分経費が加えられてしまうのなら自分たちで直接買った方が良いです。その分お店の装飾品に予算を回せますからね。これは当然考える事であり、うまく対応できれば間違いなくコストダウンにつながります。

ですので工事会社とも相談をし、確実にコストダウンにつながるのであれば支給品を検討しましょう。

2_施主支給した場合のデメリットまとめました

続いては施主支給にした場合のデメリットについてお話しします。

考えられるデメリットがこちら

・管理費用問題

・発注ミス

・責任問題

<管理費用問題について>

まず管理費用問題についてですが、この管理費というのは工事会社が決定した建材の手配などを行う業務にかかる費用の事ですね。

皆様もお気づきの通り工事会社から出てくる建材の単価は原価ではなく

「原価に上乗せした金額」です

ただ「この上乗せした金額というのが実は手配管理費」にあたり必要な費用なのです。

「品番はこのメーカーのこれで」「必要な量はこのくらい」「◯月◯日に現場へ納品」など一つずつ各社へ手配をし、現場納品まで管理いたします。

ですので例えば施主が

「この¥1,800.-のクロスがネットで¥1,600.-で売ってたから支給したいので、この¥1,800.-のクロス単価¥0.-にして下さい」

と言っても工事会社は簡単に首を縦に振らないと思います。

なぜなら工事会社からすると手配するのが相手が下請け会社から施主になっただけで、手配業務は行わなければならないからなのです。

むしろ下請け会社より施主に手配する方が細かい話ですが少し大変になります。なぜなら施主は専門家ではないからです。

下請け会社は専門家なので「1言えば3」わかってくれます

ただ施主に関しては「一字一句間違えず」伝えなければなりません

例)下請け会社に手配する場合

工事会社「このクロス100M必要です」→下請け会社「じゃあ予備分見て110M頼んでおこう」

例)施主に手配する場合

工事会社「クロスの必要な量は100Mなのですが、現場で端材が出てしまうので、予備分含め110M手配してください」

このように 手配手間が増える→手配管理費も上がる→それなのに手配管理費が無くなってしまう と、いう状況になりますので、工事会社によっては「手配管理費」というのを別途計上してくるケースもあるかと思います。

ですので「手配管理費がなくなったけど手配は誰がするの?」という事になってくるのです。

<発注ミスについて>

これについては文字通りであり、管理費用問題の所でも触れた内容ですね。

「数量が全然足らない」「違うものが届いてる」「サイズが違う」など色々考えられる事があり、よく起こるケースです。

正直専門家どうしで手配していても起こります。ただやはり施主支給の方が発注ミスが多く起こっているのが現状ですので充分に注意しましょう。

<責任問題について>

これはよくある話だと

「届いた物が壊れてます」なんかがわかりやすいでしょうか。こうなってくると3者(施主・工事会社_販売元)間で誰の責任か協議になりますが、また工事が遅れます。

またこれ以外では

「お店をオープンして1週間で壊れた」というケースなんかだと、元々の製品が悪いのか、設置工事の方法が悪いのかなど協議が必要になります。

このように支給品でなければ全て工事会社で保証してもらえる事が、支給品にした事でややこしくなり、後味も悪いですよね。

ただこれは当然起こり得る問題ですので、しっかりと頭に入れておきましょう。

主にこのようなデメリットが考えられます。

要は「手配を分離すると責任の所在も分離されてしまう」という事です。

お互いに言い分があり譲れない状況が続き、その間お店は壊れたままという悲しい事にもなりかねますので、施主支給に関しては充分に検討し工事会社とも相談する事が大切です。

また支給品が増えれば増えるほど手配など自分の業務が増えてくるというのもお忘れなく!

3_DIYを考えている方へ

支給品も色々あり難しい問題だという事が理解できたかと思いますが

「だったらDIYで全部自分でやってしまおうかな」

という考えになる方もいるかと思います。DIYが好きで自分でやる事が苦にならない方ならいいかもしれませんね。責任も全て自分という事でわかりやすいですし。

ただここで注意して欲しい重要な事があります。

それは「お客様に対しての責任」です。

仮にDIYで取り付けた棚が、席で食事していたお客様の頭に落ちてしまったらどうしましょう。当然ながら賠償問題になり、お店としてはそのお客様に対して責任を取らなければなりません。

これはDIYをせずに全て工事会社にお願いしたとしてもお店を運営する以上、必ず起こりしっかりと対処しなければならない問題なのですが、その可能性を少しでも減らす義務は運営者にはあります。たしかにプロの大工が取り付けても棚が落ちる可能性はありますが、数字的にはDIYで付けるより低いですし、職人さんというのはその辺りの責任問題も充分に頭に入っている人達ですので、危険な状況ならばきちんとダメだと言ってきます。それだけ責任の重さを知っています。

責任というのはとても怖い話ですよね。ただ当然のことです。ですのでどうしてもDIYにて行いたいと思った場合は責任問題もしっかりと再度検討し最終判断をしましょう。

4_施主支給に適している物はこちらです

ここまで読むと、であれば施主支給は難しいの?どんな物なら支給出来るの?と思ってしまった方が多いのではないでしょうか。

ではここでは私がこういう物なら施主支給でいいのではと思うものを紹介したいと思います。

それは「工事と切り離せて、危険の少ないもの」こういう物なら適しているかと思います。

例えば飲食店のテーブルや椅子ですね。工事完了して引渡してもらったあとに納品でも問題ないですし、原則置いて終わりで工事もないので良いかと思います。

ただここで一つ余談ですが「椅子はネット品の安い物は要注意」です。それこそお客様が座っている時に椅子が崩れたなんで事もあります。ですのではっきり言って格安品は危険です。出来れば名の知れたメーカーの品を選びましょう。

では話戻って、その他は物販店の陳列台とかガラスケースなんかも同じ考えでおすすめです。

あとは照明で配線ダクトにつけるタイプの照明器具などもいいかと思います。配線ダクトまで工事で設置しておいてもらって、照明はネットで買って付けるなどすればコストは落とせます。

これ以外だとカーテンやロールスクリーン、ブラインドなども良いかと思います。(取付は注意が必要)

とにかく工事が無くお客様に対してのリスクが低い物!です。こういう物なら支給品に適しているかと思いますの。

5_まとめ

最後はまとめです。

・施主支給はコストダウンを望めるが、手配リスクがある

・工事会社の業務費も含め、施主支給がコストダウンになるかの検討が必要

・来店客への責任を忘れてはいけない

・責任問題が明確で事故リスクの低い物が施主支給におすすめ

このような感じかと思います。

まぁ誰でも少しでも安くしたいですよね。大事なお金ですからね。

ですのでこの記事を参考にもう一度支給品について検討し、ある程度考えがまとまったら

コストダウンの意を汲んでくれて、的確なアドバイスをくれる工事会社を探す

実はこれが1番のコストダウン方法です。

是非参考にしてみてください。

以上です。

最後までお付き合い頂きありがとうございます